今の工場では絶対に製造が間に合わない。これはもう工場を建てるしかない!!
とはいえ工場を建てるって、またまたどうすればいいか全く見当もつきません。クエスチョンマーク嵐の再来です。
誰か~誰か~教えて~~!!一体何をどうやればいいの~~!!と叫びたいくらいです。
甥が「友達が勤めている会社がそういうことやってるんじゃないかな~」と言います。
「すぐに呼んで!」
正解でした。
すぐに設計士さんも連れて来てくださいました。
それが10月のことだったのですが、世間知らずがまたまた炸裂。
「来年の夏前には稼働させたいんです!」
「はぁ~?」全員目が点。
「それは・・・また・・・かなり・・・タイトな・・・」絶句!
「え?!やっぱり無理ですか?」アホのような顔をする私。
「ん・・・なんとか頑張ってみましょう!」
白状しますと、何とこの時点では、資金も建設用地のめども立っていなかったのです。恐いもの知らずとはこのことです。
田舎には土地はたくさんあります。ところが菊池市は農業振興に指定されている地域で、建物を建てられる土地、いわゆる“宅地”は極めて限られているのです。
姉の義父が所有している自宅と地続きの田んぼなら、宅地に転用できるかもしれない。
「じいちゃん、前の田んぼ貸して!」
第二章でも書いたように、おおらかなじいちゃん。「おう、よかぞ」二つ返事でした。
ほんとにほんとに感謝です。
まず農地転用の手続き。そして資金繰り。
知らないことばかりですべて手さぐり。たとえ手さぐりだろうと突進するしかないのです。
当って砕けろ!です。
もちろん、もし融資してもらえなかったら大変なことになります。でもなぜか私には絶対に大丈夫という、根拠のない自信があったのです。根拠がないと言えばない、あると言えばある(笑)。これだけ順調に売り上げが伸びているのです。うちに貸さないでどこに貸す~~!!と思っていたのです(笑)。
設計士さん、諸々の設備屋さん、数社の機械メーカーさん、建築屋さん、みなさんがお揃いになったとき、
「資金は必ず準備します!もし融資がかなわなかったときは、途中でストップをかけます。やっていただいた分は必ずお支払いしますから、何卒よろしくお願いいたします!」
多分みなさんこんなセリフは初めて聞かれたことでしょう。
またまた目が点になった後、全員大爆笑。
「分かりました、やりましょう!」
ところがまず最初の関門です。
農業委員会は「融資が決定しないと農地転用の許可は下ろせません。」と言います。
一方、銀行や政策金融公庫は「農地転用の許可が下りないと融資の決定はできません。」と言います。
え~~?!です。卵が先か鶏が先かどころの話じゃありません。
万事休す!
今でもどうやったのか詳細は覚えていません(笑)。必死でした。ただ、農業委員会の方、銀行の方の支えや協力があってできたことです。とりあえず言われたことを一つずつやっただけです。何のために何をやっているのかもよくわからないままに・・・。
農業委員会の方も最初は渋~い、恐~い顔をされていました。農地転用が終わった後お会いしたら、一瞬同じ方だと分からないくらい満面の笑みでした。水面下で随分頑張ってくださっていたのです。渋いお顔も本気だったからなのですね。これもまた感謝です。
年明け、合計で8,000万円の融資がやっと決定しました。ところがあらかたの設計等々が終わって細かな見積もりまで全部集めると・・・おやおや・・・2億円ほど・・・。
自己資金を合わせても9,000万円の不足。
こうなったら支払いのころまでに稼ぐしかない!!(笑)。
工場建設
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