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キヨラビ誕生物語

初めての注文

さてさて、恥をさらし続けてとうとう最終回。
私の人生褒められるようなことなどほとんどなく、まあこんなもんでしょ(笑)。

製造販売の許可が下りたことを受け、ホームページもアップ。
そもそもホームページがあれば売れるなんて、まずありえない!というのがいとこたちの意見。
え~少しは売れると思ってた~!が私と姉の意見。要するにこれも世間知らず。
ところがアップしたその日、注文が入ったのです。
全員ディスプレイの前に押し合いへし合い雁首を揃えて、何かの間違いに決まっている。そんな早々に注文なんてあり得ないでしょ!
間違いで注文されたのなら申し訳ないから、電話してみる?
いや~さすがに間違いで注文はないでしょ~。と1箱の注文をめぐってああでもないこうでもない。
発送はしたものの、お怒りの電話かメールが入らないかとビクビク(笑)。
幸い間違いでも何でもなく、無事受け取っていただきました。
ちなみに・・・未だにそのお客様のお名前は忘れることができません(笑)。

できれば続けて飲んでもらいたい!ということで、定期発送の受注をはじめてみたところ、ぽつぽつと注文が入り始めました。最初はカレンダーに書き込む程度。月に2~3人。
それがカレンダーをめくるたびに、倍、倍と増え続け、カレンダーなんかに書き込んでいる場合じゃない!!となっていったのです。
そんな折、定期の通し番号が50番台に入った頃、超有名タレントさんから定期のご注文。
きっといたずらだ!そうに決まっている!水素水なんてまだ知らない人ばかりなのに、こんな有名な人がうちに注文するなんてあり得ない!!
送ったら叱られるんじゃない!?とまたも不安。かといってこれはいたずらだとこちらが決めつけるのもおかしい話で、おそるおそる発送。
ちゃんと受け取っていただきました(笑)。
まあそんなこんなで徐々にお客様は増えていきました。

定期が少しは増えたとはいえほとんど暇なわけですから、庭先でみんなでパットゴルフの練習。
段ボールを壁のように積み上げて目隠しにして、その裏で麻雀。私や姉は麻雀なんてできなかったのですが、おかげさまでなんとかゲームができる程度にはなりました(笑)。
のんびりと毎日楽しく、バカ話をしてはお腹がよじれるほど笑って、合言葉は
「ラスベガスに行きたいか~!!」
「おー!!」
ほんとにラスベガスに行きたいわけではないけど・・・まあそんな毎日。
姉はマーケットに行っては半額商品を買いあさり、庭先の畑で作った野菜で手料理の昼食。

楽しくやっているとはいえ、その程度ではお給料すら満足に払えません。身内だからこそ、安いお給料でも文句も言わずに働いてくれましたが、このままというわけにもいきません。
もっとも苦手な“営業”をやらなければならないのかな~と、2か月ほどは知り合いの中で商売をなさっている方を訪ねては、キヨラビを扱ってもらえないかというお願いもしてみました。保証金を50万円いただくという条件です。いずれお返しするつもりだったので、契約金ではなく保証金です。
3社ほど取り扱っていただけることになったのですが・・・なんか違う。
快くOKしてくださったことにとても感謝いたしましたし、ほんとに助かりました。
ただ、その方たちに対して売りつけようという気はさらさらなく、もしお役に立てるのであれば・・・という気持ちであって、買ってほしいとか売ってほしいとかいうお願いをするつもりではない・・・けど、結果としてそういうお願いをしていることになってしまう。
う~ん、そんなことをするつもりで始めたわけじゃないのに、結果的にねじれてしまう。
そもそも「営業が苦手⇒飲んでもらえば分かってもらえる!営業しなくてもいい!⇒だから水素水」(笑) のはずだったわけですから、なんとなくズレてるというかブレてる。
少し時間はかかるかもしれないけど、必ずどうしようもないほど買っていただける!・・・はず(笑)。
やっぱり営業はやめよう!そう決心しました。
そう思うと、すっきり!!

それからはただひたすら待つだけ。資金もない私たちがジタバタしても空回りするだけ。そのときそのときの状況をよく理解するということは大事なことです。今は待つときだと思っていたのです。
信じているとはいえ“ただ待つ!”というのは勇気のいることでしたが・・・(笑)。

ところがしばらく経つと、買ってくださったお客様が、ご自身のキヨラビを身内や知人に分けてあげてまで紹介してくださるようになったのです。それも一人や二人ではありません。紹介紹介紹介、紹介の嵐・・・はちょっと言い過ぎかな・・・(笑)。でも要するに口コミでどんどん広がっていったのです。

そんなお客様のなかに〇〇えり子さんという方がいらっしゃいました。
ありがたいね~と、たまたまえり子さんの話をしている時、えり子さんからお電話がかかって来たのです。
電話を取った姉が咄嗟に、「あ!えり子さ~ん」と言ってしまい、私たちもえり子さんも大爆笑。怒りもせずむしろ喜んでくださったえり子さんには今も感謝しております。

長期休暇ともなると留守番電話のインフォメーションを録音しなければなりません。
何度録音しても、熊本訛りが消せないのです。精一杯標準語のつもりなのですが、イントネーションが熊本弁以外の何ものでもないのです。姉と私と交互に録音しては聞いて爆笑。繰り返すこと2時間。涙が出てお腹が痛くなるほど笑い転げた挙句に、訛りを消すのは無理だとあきらめましたが、箸が転げてもおかしい年ごろをまた迎えたような感じです。

でもこの頃、会社を経営するということがどういうことかを一応真剣に考えるようになっていました。
もちろんここまでの2年半ずっと考えてはいたのですが、実際にやってみなければ分からないことだらけでした。少しずついろいろなことが見えてきたわけです。
第一章でも書いたことですが、いわゆる経営方針というものについて姉とも何度も話し合いました。
普通の会社がどういうものかも私たちはほとんど知らないけど、いまさらそれを学ぼうにも遅すぎる。到底間に合わない。
出した結論は・・・「いいよ、私たちのやりたいようにやろうよ。人としてまっとうなことをしていれば、心が痛むこともない。どんなに仕事が忙しくても、体は休めばどうってことない。良心の呵責を感じて眠れないなんていうのが一番最悪。」

人生を謳歌するなんて憧れはするけど、現実にはなかなかそうはいかないものですが、残り少ない人生悔いのないものにしたかったのです。
私たちはある意味捨て身です。失うものもない。とりたてて欲しいものがあるわけでもない。評価されたいわけでもない。捨て身の身軽さです。
私たちが作ったキヨラビで誰かが少しでも笑顔になれたら、良かったと思ってもらえたらそれで十分。その上で私たちは生活させていただけるのであれば、それ以上に幸せなことなどあるはずがない。
親たちから借りた資金はもちろん返すつもりでしたが、なにしろ担保は老後の面倒。親たちの老後の面倒をみるのは担保でなくとも当然のことですから、特にプレッシャーというわけでもない。後は笑って暮らしたい。笑って暮らせるはずなのです。笑えない理由なんて何もないのです。

ということで一応思いつく限り再考してみました。
朝礼。定例会議。売り上げ目標。売り上げ計画。営業。その他ホウレンソウなどなど・・・って必要?

うぇ~、どれも楽しそうじゃないな~。
じゃあ、やめよう!(笑)。
やるべきことはやっているわけだし、5人しかいない狭い事務所です。しょっちゅうミーティングしているようなものです。“会議”だ“ホウレンソウ”だなどと敢えて言わなくても、耳をふさいでいても聞こえる狭さ。
何ものも縛るものがない!自由です。気分は最高~!!(笑)。

エステをやっていたとき、愚痴を聞くのも仕事みたいなものでしたから、さんざん聞いてきたのです。「ああ~朝の朝礼で1日の半分のエネルギーを消耗する~。」
「定例会議や報告会議の雰囲気、最悪です。」
「上司の顔色窺って、耳触りのいい報告に微妙に修飾するわけですよ~(笑)。」
「私の上司、凄い厳しくて、しょっちゅう怒鳴られたり叱られたり・・・。」
「私の上司、ちゃっちゃと手柄だけは持ってくんですよね~。」
「今私がやらされていることって、ほんとに必要かな~。」
etc.
とてもとても書ききれません。

なぜ経営者や管理職はそういうことをするのか、やらせるのか、私にはずっと理解できなかったのです。
私の気分は「みんなで楽しく、お手々繋いで頑張りましょう!!」なのです。
バカか!!アホか!!甘い!!そんなお人好しのお気楽気分で会社の経営などできるわけがない!!という声が四方八方から聞こえてきそうですが・・・(笑)。
なんと言われようがしったこっちゃない!楽しくて何が悪いの?みんなで仲良く頑張るのが何がいけないの?
しかめ面していては福が逃げるんです!
大企業になりたいとか、大成功したいとかいう気持ちで始めたわけじゃないのです。
バカだろうがアホだろうがやりたいようにやれるのが経営者。
きゃ~~経営者って最高~!!(笑)。

あれほど聞かされた愚痴の根源はなんなのかと考えました。
経営者や管理職が社員を信じていない。
見張っていないとサボると思っている。
サボりまではしないとしても、お給料分はしっかり働いてもらわないと、と思っている。
目標や計画や数字や書類で頭は動くかもしれないけど、心は心でしか動かせないということを忘れている。
人として同じく“心”を持っているということを忘れているのか、どこかに置き忘れているのか。
心というものは経営者であろうと社員であろうと人として同じなのです。
もっとも経営者や管理職の方がみなさんこうだと言っているのではありません。社員が愚痴りたくなる上司や経営者の場合です。

日本は資本主義社会ですから、労働をお金で買うという考え方は知っていますが、それがどうしても違和感があるのです。そういう側面があることは否定はしませんが、行き過ぎているというか…、欧米的な、自分さえ良ければ、そして儲かりさえすればいい、という考え方はどうしても受け入れられません。
世間ではこれが『当然』『常識』と思われていることや、成果主義などは、実は思い込まされているだけのことかもしれないのです。誰かが言い出して、強烈に印象付けられて、繰り返し聞かされるうちに『当然』になってしまっただけかもしれないのです。私たちは『資本主義経済』ではなく人と、人の心を大事にする『人心中心主義』でいこうということになったのです。
ほとんど何の能力もない私たちは、社員に力を貸してもらわなければ何もできないのです。買うのではなく力を貸してもらうのです。貸してもらうなら気持ちよく貸してもらったほうがいいに決まってますから(笑)。

一つ一つを丁寧に考えました。
社員であろうが業者さんであろうが、もちろんお客様も、みんな心があるのです。それを無視して物事が良い方向へ進むわけがないのです。“お金”や“儲け”は確かに大事なことです。でもそれは必要だからであって、それを手に入れるのが目的ではなく、それは人が幸せになるための手段にすぎないのです。
常々そう思ってはいたのですが、これから先どんなに苦しいことがあっても絶対に自分が“正しい”もしくは“善”と思うほうを選択していこうと改めて決心したのです。
この仕事を始めてからは、やっていることや環境は大きく変わりましたが、自分自身がそう変わったとは思えません。一体何がどうなったから、こんなに楽しいのかと何度も首を傾げました。
私たちを縛るものは何もないのです。それまでは勝手に自分を縛っていたのだと思います。“世間の常識”と思い込んでいたくびきから自分たちを解放したのです。
そうとなれば、もう後に引く気もさらさらない。前に進むのみです!

最初は1週間に1回製造すれば十分。それも200本ほど。それが週2回、3回となり、200本が500本となり・・・と日に日に増えていきました。
もちろん毎日いろいろなことがあります。潤沢な資金があれば簡単に解決できる問題も、できることからやる以外道はないのです。工夫工夫工夫、工夫あるのみです。
徐々に受注が増えていくと、5人はフル稼働です。電話を受ける。台帳の整理。発送の準備・手配。製造にも入ります。一人当たり、1日に総量で1トン以上は持ち上げたり、運んだり。それを毎日15時間続けるのです。
私は通勤距離が20kmあるので、朝は車で1時間近くかかります。食事はほとんどコンビニのおにぎりやサンドイッチやチキン。通勤時間さえ無駄にできないので、車中食。
でもそういう生活を続けても、毎日楽しくて仕方がないのです。
私はそれまでの人生、車のギアでいうなら、ローとセカンドまでしか使ってないというか、たまにサード!みたいな感じでした。それがサード、トップ、ハイトップとパワー全開!!
それがものすごい快感でした。カ~~ッと加速して行く感じです。

そのとき思ったのが、仕事をするだけでいいって、なんて楽?!
あれ???です。
子育てしながら、家事をして、仕事をして、PTAだ、町内会だと走り回っていたときは今よりずっとずっと大変だった。
今は確かに忙しいけど・・・楽しい。辛くもない。
私は気づいてしまったのです。
え~~男性って、バリバリ仕事してるって言ってもこんなもん?!仕事のことだけ考えていればいいなんて、楽勝じゃな~い?!
しかも、もうこのころは水素水のおかげで、めちゃめちゃ元気。
あれ?あれ?!でしたね。ほんとうに(笑)。

いずれ、働くママを雇用するようになったら、働きたい時間帯で、出社帰社も本人の都合のいい時間で、学校や保育園の行事もちゃんと参加できて、子どもの具合が悪くなったらすぐに帰ってあげられる。それでも正社員。絶対そんな会社にする!!
実際、子育てママはとても優秀です。

一人二人と社員が増えて10名ほどになったころ、製造本数は毎日2,000本から3,000本とどんどん増えていきました。狭い事務所は身動きが取れないほどになり、増築、増築と資金ができればできた分から増築をしていったのですが、それももう限界。駐車場もキツキツです。

そんな折、あるテレビ局関係者から、水素水を番組内で紹介しようという企画がある。という連絡をいただきました。
イヤッホーー!!これで多くの方に知ってもらえる!
連絡をいただいたのは製造販売を始めて2年半経った、平成23年の夏ごろでした。

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